こんにちは、サイト管理人Tsukasaです。
「親が亡くなって実家を相続したけど、兄弟もいるし、どうやって売却を進めたらいいんだろう…」
「売却代金の分け方とか、税金のこととか、兄弟で揉めそうで不安だ…」
大切なご家族が遺してくれた家だからこそ、兄弟みんなが納得する形で、円満に売却したいですよね。
しかし、現実にはお金が絡む不動産相続は、それまで仲の良かった兄弟の関係にヒビを入れてしまうことさえある、非常にデリケートな問題です。
この記事では、そんな不安を抱えるあなたが、一歩前に進むための羅針盤となる情報をお届けします。
相続の基本的な知識から、具体的な売却の流れ、そして最も気になる兄弟間のトラブルを未然に防ぐための具体的な対策まで、専門的な内容を分かりやすく、順を追って解説していきます。
この記事を読み終える頃には、やるべきことの全体像が明確になり、自信を持って兄弟との話し合いに臨めるようになっているはずです。
◆このサイトでわかる事◆
- 兄弟で相続した家を売却する際の基本的な考え方
- 4つの遺産分割方法のメリット・デメリット
- 遺言書の確認から売却完了までの具体的なステップ
- 不動産売却で兄弟間によくあるトラブル事例
- トラブルを未然に防ぐ「遺産分割協議書」の重要性
- 売却にかかる税金や諸費用の基礎知識
- 円満な売却のために知っておくべきポイント
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相続した家を売却で兄弟ありとは?
◆この章のポイント◆
- まずは基本の遺産分割方法を知ろう
- なぜ兄弟間での不動産売却は揉めるのか?
- 「換価分割」が一般的な選択肢
「相続した家を売却したいけど、兄弟がいる場合はどうなるの?」これは、多くの方が最初に抱く疑問です。
親が亡くなり、実家などの不動産を複数の兄弟で相続するケースは決して珍しくありません。
しかし、この「兄弟がいる」という状況が、売却プロセスを少し複雑にする可能性があるのです。
物理的に分けられない不動産を、どう公平に分けるのか。
この章では、まずその基本的な考え方である「遺産分割」の方法と、なぜ兄弟間での不動産売却が揉めやすいのか、その根本的な原因を探っていきます。
そして、多くのケースで選ばれる「換価分割」という方法についても触れ、円満な売却に向けた第一歩を踏み出すための基礎知識を解説します。
ここを理解することが、後のトラブルを避ける上で非常に重要になります。
まずは基本の遺産分割方法を知ろう
兄弟で家を相続した場合、まず「誰が、どのように財産を受け継ぐか」を決めなければなりません。
これを「遺産分割」と呼びます。
遺産分割は、相続人全員での話し合い(遺産分割協議)によって進めるのが基本です。
不動産のように簡単に分けられない財産がある場合、法律ではいくつかの分割方法が用意されています。
後ほど詳しく解説しますが、「現物分割」「代償分割」「換価分割」「共有分割」の4つが主な選択肢です。
どの方法を選ぶかによって、手続きの流れや税金、そして兄弟間の満足度も大きく変わってくるため、それぞれの特徴を理解しておくことが不可欠です。
なぜ兄弟間での不動産売却は揉めるのか?
うーん、これはどう説明したらいいか…。
一言で言えば、「想い」と「お金」が複雑に絡み合うから、なんですよね。
生まれ育った実家には、兄弟それぞれに異なる思い出や愛着があります。
「すぐにでも売却して現金化したい」と考える兄弟もいれば、「もう少し思い出のまま残しておきたい」と考える兄弟もいて、感情的な対立が生まれやすいのです。
さらに、不動産の評価額という「お金」の問題が絡むと、事態はさらに深刻化します。
査定額は不動産会社によっても変わりますし、「自分が住み続けたいから安く見積もってほしい」といった思惑が働くこともあります。
このように、感情的な価値と経済的な価値が交錯する点が、兄弟間での不動産売却を難しくする最大の原因と言えるでしょう。
「換価分割」が一般的な選択肢
では、どうすれば公平に分けられるのでしょうか。
そこで最も多く用いられるのが「換価分割(かんかぶんかつ)」という方法です。
これは、相続した家を売却して現金に換え、その現金を兄弟で分けるという、非常にシンプルで分かりやすい方法です。
物理的に分けられない不動産を、誰もが納得しやすい「現金」という形で分割するため、公平性が高く、後のトラブルを最も防ぎやすい選択肢とされています。
「実家を誰も引き継がない」「公平に分けたい」という場合には、まずこの換価分割を軸に話し合いを進めるのが王道と言えるでしょう。
| POINT 遺産分割とは財産の分け方を決めること 兄弟間のトラブルは「想い」と「お金」が原因 公平に分けるなら「換価分割」が基本 まずは全員で分割方針を話し合うことが重要 |
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相続した家を売却で兄弟あり、具体的な4つの分割方法
◆この章のポイント◆
- ① 換価分割:売却代金を現金で分ける
- ② 代償分割:誰か一人が相続し、差額を支払う
- ③ 共有分割:兄弟の共有名義にする(非推奨)
- ④ 現物分割:土地を分筆して分ける(非現実的)
相続した家を兄弟でどう分けるか、その具体的な方法には大きく分けて4つの選択肢があります。
前の章で触れた「換価分割」はその一つですが、他にも状況によっては有効な方法が存在します。
例えば、兄弟の誰かがその家に住み続けたいと希望している場合などです。
ここでは、それぞれの分割方法「換価分割」「代償分割」「共有分割」「現物分割」について、そのメリットとデメリットを詳しく掘り下げていきます。
どの方法が自分たちの状況に最も適しているのかを判断するためには、それぞれの特徴を正確に理解することが欠かせません。
特に、安易に選んでしまうと将来的なトラブルの火種になりかねない「共有分割」の危険性についても警鐘を鳴らします。
① 換価分割:売却代金を現金で分ける
先ほども触れましたが、これは最も公平でトラブルになりにくい方法です。
家を売却して得た現金を、法律で定められた相続分(法定相続分)や、話し合いで決めた割合に応じて分配します。
メリットは、なんといってもその明快さです。
1円単位で公平に分けられるため、兄弟間の不満が出にくいのが最大の特徴です。
デメリットとしては、思い出の詰まった家を手放さなければならないこと、そして売却には時間がかかり、仲介手数料などの費用が発生する点が挙げられます。
しかし、誰も家に住む予定がないのであれば、最有力候補となる分割方法です。
② 代償分割:誰か一人が相続し、差額を支払う
これは、兄弟のうち誰か一人が家を相続する代わりに、他の兄弟に対してその人の相続分に見合う現金(代償金)を支払う方法です。
例えば、3000万円の価値がある家を兄と弟の2人で相続する場合、兄が家を全て相続するなら、弟に1500万円の代償金を支払う、といった形です。
メリットは、家を売却せずに残せること。
誰かが住み続けたい、事業で使いたいといった場合に有効です。
しかし、大きなデメリットがあります。
それは、家を相続する人に他の兄弟へ支払うための十分な資力が必要だということです。
また、家の評価額をいくらにするかで揉める可能性も高い方法です。
③ 共有分割:兄弟の共有名義にする(非推奨)
これは、一旦兄弟全員の共有名義で相続登記をする方法です。
一見、平等で簡単な方法に見えますが、これはハッキリ言って好みじゃない、というか、専門家としては全くお勧めできません。
なぜなら、問題を先送りにしているだけで、将来もっと大きなトラブルを引き起こす可能性が極めて高いからです。
例えば、いざ売却したくても共有者全員の同意がなければ売れません。
さらに、誰かが亡くなるとその子供が新たな共有者となり、関係者がどんどん増えて収拾がつかなくなるのです。
「とりあえず共有で」という安易な選択は、将来の負の遺産を作ることになりかねないので、絶対に避けるべきです。
④ 現物分割:土地を分筆して分ける(非現実的)
これは、一つの土地を複数の土地に物理的に分けて(分筆して)、それぞれを兄弟が相続する方法です。
広い土地であれば可能かもしれませんが、一般的な住宅地ではまず非現実的です。
土地を分けることでそれぞれの価値が下がってしまったり、建築基準法の問題で家が建てられない土地が生まれてしまったりと、多くの問題があります。
よほど条件が整っていない限り、この方法が選択されることはほとんどありません。
相続財産が家と土地だけ、という場合にはまず考えなくてよいでしょう。
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相続した家を売却で兄弟あり、手続きと流れを解説
◆この章のポイント◆
- STEP1:遺言書の有無を確認する
- STEP2:相続人と相続財産を確定させる
- STEP3:遺産分割協議で全員の合意を得る
- STEP4:相続登記(名義変更)を行う
- STEP5:不動産会社に売却を依頼する
さて、遺産分割の方針が決まったら、いよいよ具体的な手続きに進んでいきます。
相続から売却までの道のりは、いくつかのステップに分かれており、一つひとつを確実にクリアしていく必要があります。
「何から手をつけていいか分からない」と戸惑ってしまうかもしれませんが、大丈夫です。
ここでは、その全プロセスを5つのステップに分解し、時系列に沿って分かりやすく解説します。
最初に確認すべき遺言書の存在から、相続人を確定させるための戸籍収集、そして手続きの核心部分である遺産分割協議、法的に権利を確定させる相続登記、最後に不動産会社とタッグを組んで売却活動に入るまで。
この流れを頭に入れておけば、今自分たちがどの段階にいるのか、次に何をすべきかが明確になります。
STEP1:遺言書の有無を確認する
何よりもまず、亡くなった親(被相続人)が遺言書を遺していないかを確認します。
もし法的に有効な遺言書があり、そこに家の相続について記載があれば、原則としてその内容に従うことになります。
遺言書があれば、後述する遺産分割協議が不要になるケースも多いのです。
自宅の金庫や貸金庫、付き合いのあった信託銀行や専門家(弁護士や司法書士)などに確認しましょう。
特に自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での「検認」という手続きが必要になることも覚えておいてください。
遺言書の存在が、その後の手続きを大きく左右する最初の関門です。
STEP2:相続人と相続財産を確定させる
遺言書がなかった場合、または遺言書に記載のない財産があった場合は、「誰が相続人なのか」そして「相続する財産は何があるのか」を正確に確定させる必要があります。
相続人を確定させるためには、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等をすべて集める必要があります。
これにより、兄弟以外に認知した子など、把握していなかった相続人がいないかを確認します。
同時に、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)や固定資産税の納税通知書などで不動産の情報を確認し、預貯金や有価証券など、他の財産もすべてリストアップします。
この財産目録の作成が、後の遺産分割協議の土台となります。
STEP3:遺産分割協議で全員の合意を得る
ここが最も重要なステップです。
相続人全員で、財産をどのように分けるかを話し合います。
これを「遺産分割協議」と呼びます。
家を売却して分ける「換価分割」にするのか、誰かが住む「代償分割」にするのか、具体的な分割方法をここで決定します。
この協議は、相続人のうち一人でも欠けたり、合意が得られなかったりすると成立しません。
電話やメールでの参加も可能ですが、全員が納得することが何よりも大切です。
そして、合意した内容は必ず「遺産分割協議書」という正式な書面にまとめ、全員が署名し、実印を押印します。
この書類が、後の手続きで法的な証拠となります。
STEP4:相続登記(名義変更)を行う
遺産分割協議で家の分け方が決まったら、法務局で不動産の名義を亡くなった親から相続人へ変更する手続きを行います。
これを「相続登記」と言います。
家を売却する場合、この相続登記は必須です。
なぜなら、亡くなった方の名義のままでは、家を売ることはできないからです。
換価分割の場合、一般的には兄弟のうちの代表者一人の名義にするか、あるいは兄弟の共有名義に一旦登記してから売却手続きに進みます。
どちらが良いかはケースバイケースなので、司法書士などの専門家に相談するのが確実です。
2024年4月1日から相続登記は義務化されており、正当な理由なく怠ると過料の対象となるので注意が必要です。
STEP5:不動産会社に売却を依頼する
相続登記が完了し、家の名義が自分たちに変わったら、いよいよ不動産会社に依頼して売却活動のスタートです。
複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額や販売戦略、担当者の対応などを比較検討して、信頼できる一社と媒介契約を結びます。
契約後は、不動産会社が購入希望者を探してくれます。
内覧の対応などを経て、購入希望者が見つかれば売買契約を結び、最終的に物件を引き渡して代金を受け取ります。
そして、その売却代金から諸経費を差し引いた額を、遺産分割協議で決めた割合で兄弟と分けることになります。
| POINT ①遺言書の確認が最優先 ②戸籍を集めて相続人を確定させる ③遺産分割協議は全員の合意が必須 ④売却前に相続登記(名義変更)が必要 ⑤信頼できる不動産会社を見つけることが成功のカギ |
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相続した家を売却で兄弟あり、よくあるトラブルと防止策
◆この章のポイント◆
- トラブル①「売る・売らない」で意見が対立
- トラブル② 不動産の評価額で揉める
- トラブル③「売却する約束」が守られない
- トラブル④ 諸費用や税金の負担割合
- トラブルを防ぐには遺産分割協議書が重要
ここからは、相続した家の売却で兄弟がいる場合に、特に起こりがちなトラブルとその具体的な防止策について解説します。
「ウチの兄弟は仲が良いから大丈夫」と思っていても、いざ現実の問題となると、些細なことから亀裂が入ってしまうのが不動産相続の怖いところです。
私も以前、親戚の相続で似たような経験をしましたが、お金の話になると普段温厚な人でも、どうしてもシビアになってしまうんですよね。
ここでは、最も代表的な4つのトラブル事例を取り上げ、それぞれの根本原因と、そうならないために事前に打てる手を具体的に示します。
そして、これら全てのトラブルに対する最強の盾となる「遺産分割協議書」の重要性を改めて強調します。
トラブル①「売る・売らない」で意見が対立
最も古典的で、かつ根深いトラブルです。
「実家は思い出の場所だから手放したくない」と考える兄弟と、「固定資産税もかかるし、早く売って現金化したい」と考える兄弟とで意見が真っ向から対立するケースです。
特に、実家に誰も住んでいない場合と、兄弟の誰かが住み続けている場合とでは、話の複雑さが全く異なります。
これを防ぐには、まずはお互いの気持ちを正直に話し合う場を設けることが大切です。
感情的に対立するのではなく、売却した場合のメリット(現金化、維持管理費からの解放)と、維持した場合のデメリット(固定資産税、修繕費の負担)を客観的な数字で示し、冷静に議論することが解決への糸口となります。
トラブル② 不動産の評価額で揉める
「代償分割」を選択した場合に頻発するトラブルです。
家を相続する側は、他の兄弟に支払う代償金を少なくしたいので、評価額を低く見積もりたいと考えます。
一方で、現金をもらう側は、当然ながら少しでも高く評価してほしいと考えます。
この利害の対立が揉め事の原因です。
これを防ぐためには、複数の不動産会社に査定を依頼し、その査定額の平均値を取るなど、公平で客観的な基準を設けることが重要です。
できれば、相続人全員で不動産会社を選定するプロセスに関わるのが理想です。
最初から公平な第三者の意見を取り入れることで、個人的な思惑が入り込む余地をなくしましょう。
トラブル③「売却する約束」が守られない
これは、遺産分割協議の際に「一旦、長男の名義にしておいて、後で売却して代金を分けよう」と口約束で済ませてしまった場合に起こる悲劇です。
いざ売却する段階になって、名義人である長男が「気が変わった」「もっと高く売れるまで待ちたい」などと言い出し、売却が進まないケースです。
不動産の名義がその人にある以上、法的にはその人の意思がなければ売却はできません。
あ、いや、待てよ。
こっちの視点もありますね。
もしかしたら最初から騙すつもりだった、という悪質なケースも残念ながら存在します。
これを防ぐには、後述する遺産分割協議書に「不動産を売却し、その代金を兄弟で〇分の1ずつ分配する」と明確に記載しておくことが絶対条件です。
トラブル④ 諸費用や税金の負担割合
家の売却には、不動産会社に支払う仲介手数料、登記にかかる費用、印紙税など、様々な費用が発生します。
また、売却によって利益(譲渡所得)が出れば、譲渡所得税もかかります。
これらの費用を誰が、どの割合で負担するのかを事前に決めておかないと、後で必ず揉めます。
一般的には、売却代金から全ての経費と税金を差し引いた残額を相続分に応じて分けるのが公平ですが、これも当たり前だと思わず、きちんと合意しておくべきです。
特に、親の介護で貢献した兄弟がいる場合など、法定相続分とは異なる割合で分配したい場合は、その点も含めて全員が納得するルールを明確にしておきましょう。
トラブルを防ぐには遺産分割協議書が重要
ここまで見てきた全てのトラブルの、最高の予防策となるのが「遺産分割協議書」です。
これは、相続人全員が合意した内容を法的な効力を持つ書面として残すものです。
口約束は絶対にダメです。
「言った」「言わない」の水掛け論になり、後から覆されるリスクが非常に高いです。
遺産分割協議書に、「どの不動産を」「いつまでに売却し」「売却代金や経費の負担割合をどうするか」といった内容を具体的かつ明確に記載し、全員が署名・実印を押すことで、法的な拘束力が生まれます。
この一枚の書類が、兄弟間の約束を守り、円満な相続を実現するための命綱になるのです。
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相続した家を売却で兄弟あり、税金と費用の知識
◆この章のポイント◆
- 売却で利益が出たら譲渡所得税がかかる
- 使える特例・控除を必ずチェック
- 仲介手数料や印紙税などの諸費用一覧
相続した家の売却プロセスにおいて、避けては通れないのが「お金」の話、特に税金と諸費用です。
「家を売ったらいくら手元に残るんだろう?」これは誰もが気になるところですよね。
売却して得た金額が、そのまま全額手に入るわけではありません。
売却によって利益が出た場合には「譲渡所得税」という税金がかかりますし、不動産会社への仲介手数料など、様々な費用もかかってきます。
しかし、ご安心ください。
相続した不動産の売却には、税金の負担を大きく軽減できる特例や控除が用意されています。
この章では、売却にかかる税金の基本的な仕組みと、絶対に知っておきたい節税のポイント、そして具体的にどのような費用がかかるのかを一覧で分かりやすく解説します。
正しい知識を持つことが、最終的な手残りを最大化する鍵となります。
売却で利益が出たら譲渡所得税がかかる
家を売却して、購入した時よりも高く売れた場合、その利益部分に対して「譲渡所得税(所得税・復興特別所得税・住民税)」が課税されます。
この利益(譲渡所得)は、以下の計算式で算出されます。
譲渡所得 = 売却価格 - (取得費 + 譲渡費用)
「取得費」とは、亡くなった親がその家を買った時の代金や手数料のことです。
昔のことで購入価格が分からない場合は、売却価格の5%をみなし取得費として計算します。
「譲渡費用」は、仲介手数料や印紙税など、売却のために直接かかった費用のことです。
この計算で利益が出ていなければ、譲渡所得税はかかりません。
税率は、不動産の所有期間によって異なり、所有期間が5年を超えている場合は約20%、5年以下の場合は約39%と大きく変わります。
使える特例・控除を必ずチェック
ここが一番のポイントです。
相続した不動産の売却には、税負担を軽減できる強力な特例があります。
代表的なのが「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称「空き家特例」です。
一定の要件を満たすことで、なんと譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます。
多くのケースでは、この特例を使えば譲渡所得税がゼロになります。
適用には「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること」や「耐震基準を満たしていること」など細かい要件があるため、自分たちが対象になるか、不動産会社や税理士に必ず確認しましょう。
この特例を知っているか知らないかで、手元に残るお金が数百万円単位で変わることもあります。
仲介手数料や印紙税などの諸費用一覧
売却代金から差し引かれるのは税金だけではありません。
以下のような諸費用もかかってきます。
- 仲介手数料:不動産会社に支払う成功報酬。売却価格に応じて上限額が法律で決まっています。(例:400万円超の場合は「売却価格×3%+6万円+消費税」)
- 印紙税:売買契約書に貼る印紙代。売買金額によって税額が変わります。
- 登記費用:相続登記や、買主への所有権移転登記にかかる登録免許税と司法書士への報酬。
- その他:家の解体が必要な場合は解体費用、土地の境界が不明確な場合は測量費用、家の中の荷物を処分する場合は遺品整理費用などがかかることもあります。
これらの費用が総額でいくらくらいになるのか、事前に不動産会社に見積もってもらい、兄弟間で負担割合を明確にしておくことが大切です。
売却代金からこれら全てを差し引いた金額が、最終的に分配できるお金になります。
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相続した家を売却で兄弟あり、まとめ
本日のまとめ
- 兄弟で相続した家の売却はまず遺産分割方法の決定から始める
- 公平性を重視するなら売却代金を分ける「換価分割」が最もお勧め
- 安易な「共有名義」での相続は将来のトラブルの元なので避けるべき
- 手続きは遺言書の確認から始まり相続人確定、遺産分割協議、相続登記、売却という流れで進む
- 亡くなった親名義のままでは家は売却できず必ず相続登記が必要
- 兄弟間のトラブルは感情的な対立と金銭的な利害の不一致から生まれる
- トラブル防止には客観的なデータに基づき冷静に話し合うことが重要
- 全ての合意事項は口約束で済ませず法的な効力を持つ「遺産分割協議書」に明記する
- 遺産分割協議書には不動産の売却と代金の分配方法を具体的に記載することが鉄則
- 売却で利益が出ると譲渡所得税がかかるが強力な節税特例が存在する
- 最大3000万円が控除される「空き家の特例」が使えるか必ず確認する
- 売却には仲介手数料などの諸費用もかかるため事前に見積もりを取得する
- 売却代金から税金と諸費用を引いた額が最終的な分配金となる
- 一連の手続きは複雑なため司法書士や税理士など専門家の力を借りるのが賢明
- 最終的には理屈だけでなく兄弟がお互いを思いやる気持ちが円満解決の鍵となる
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参考サイト
亡くなった親の家を兄弟で売却する4つの方法!相続した不動産の売り方を解説 – 三井のリハウス
兄弟で相続した不動産を売却して代金を分配・分割する事例
相続した不動産を兄弟で売却したい方へトラブル防止策を紹介します
相続した不動産を売却して、兄弟で分けるには、どうしたらいいですか?
兄弟が相続不動産を売却して代金を分割する約束を守ってくれない


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