こんにちは、サイト管理人Tsukasaです。
所有している土地や実家が急傾斜地崩壊危険区域に入っていると知ったとき、頭が真っ白になってしまう方は少なくありません。
「災害リスクがある土地なんて誰も買ってくれないのではないか」「資産価値がゼロになって一生手放せないのではないか」と強い不安を抱くのは当然のことです。
正直言うと、平坦な土地と比べて売却の難易度が高いのは事実ですが、正しい知識と手順を踏めば手放す道は確実に残されています。
この記事では、一個人の実践者として調べ尽くした情報をもとに、急傾斜地崩壊危険区域の基礎知識から売却を成立させるための具体的なステップ、通常の仲介が難しい場合の出口戦略まで包み隠さずお伝えします。
◆このサイトでわかる事◆
- 急傾斜地崩壊危険区域の定義と建築規制の内容
- 土砂災害警戒区域(イエローゾーン)との法的な違い
- 急傾斜地崩壊危険区域の売却が難航しやすい3つの原因
- 売却価格の下落相場と住宅ローン審査への影響
- 契約不適合責任と売主が果たすべき告知義務のポイント
- 急傾斜地崩壊危険区域の不動産を売却する実践的5ステップ
- 仲介で売れない場合の専門買取業者や隣地交渉という出口戦略
急傾斜地崩壊危険区域の不動産売却は、法律上の制限や安全面への懸念から一般市場では敬遠されがちですが、適切な対策と専門業者への相談を行うことで売却可能です。まずは敷地の現状把握と正しい告知義務の理解が成功への第一歩となります。
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急傾斜地崩壊危険区域の不動産売却とは?基本を解説
◆この章のポイント◆
- そもそも急傾斜地崩壊危険区域とは何か
- 土砂災害警戒区域(イエローゾーン)との根本的な違い
- 区域指定による建築やリフォームの制限
急傾斜地崩壊危険区域はがけ崩れから人命を守るために都道府県知事が指定するエリアであり、土地の形状変更や工作物の設置に知事の許可が必要となります。売却自体は法的に禁じられていませんが、利用制限が買い手の購入判断に直結します。
雨が続いた日の翌朝に近所の高台を散歩していると、普段は気にも留めない擁壁の水抜き穴から勢いよく水が噴き出している光景を目にして、思わず足がすくんだ経験があります。
大地というのは私たちが思っている以上に水を含みやすく、傾斜がある場所では見えない圧力が常に働いているのだと肌で実感した瞬間でした。
不動産の売却を考えるとき、こうした土地の性質がどのように法的に位置づけられているかを知ることは極めて大切です。
この章では、急傾斜地崩壊危険区域の法律上の定義や、よく混同される他の災害区域との違い、さらには建物の建築や改築に課される厳しいルールについて掘り下げて解説していきます。
そもそも急傾斜地崩壊危険区域とは何か
急傾斜地崩壊危険区域とは、「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(通称:急傾斜地法)」に基づいて、都道府県知事が指定する特定の区域を指します。
具体的には、傾斜度が30度以上、高さが5メートル以上あるがけ地が対象となります。
それだけでなく、そのがけが崩れた場合に5戸以上の人家や、学校・病院といった公共施設に危害が及ぶ恐れがある場所が指定基準とされています。
ここが肝心なのですが、指定される目的は住民を追い出すことではなく、がけ崩れを防ぐ工事を行ったり、危険な造成行為を取り締まったりして人命と生活環境を守るためにあります。
したがって、この区域内に土地や建物があるからといって、売買そのものが法律で禁止されているわけではありません。
ただ、土地の利用や工事に対して都道府県の厳しい監視と許可が必要になるため、一般的な宅地に比べて特別な配慮が求められる土地であることは確かです。
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)との根本的な違い
不動産の重要事項説明書を見ていると、「土砂災害警戒区域」という言葉もよく目にするため、両者の違いに混乱してしまう方が非常に多く見受けられます。
土砂災害警戒区域(通称イエローゾーン)は、「土砂災害防止法」に基づいて指定されるもので、警戒避難体制の整備を主な目的としています。
イエローゾーンでは住民へのハザードマップ配布や早期避難が重視され、個人の敷地内で行う一般的な工事に対する直接的な法定制限はそれほど多くありません。
一方で、急傾斜地崩壊危険区域はがけ崩れ防止工事の実施と危険行為の制限を主眼に置いており、急傾斜地法に基づく直接的な規制が課されます。
さらに厳しい規制を受ける「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」では建物の構造規制や特定開発の許可が必要になりますが、急傾斜地崩壊危険区域もそれに匹敵するレベルで土地の掘削や盛土に知事の事前許可が必須となる点が決定的に異なります。
| POINT 急傾斜地崩壊危険区域は傾斜30度以上かつ高さ5メートル以上が目安 土砂災害警戒区域は主に避難体制の整備を目的とする 急傾斜地崩壊危険区域は土地の掘削や造成工事に直接の許可が必要 どちらの区域であっても不動産の売買契約自体は法的に可能 売却時は両方の指定状況をハザードマップ等で正確に確認することが必須 |
区域指定による建築やリフォームの制限
急傾斜地崩壊危険区域内に土地を所有している場合、建物の新築や増改築、さらには敷地内のちょっとした土木工事にまで制約が及びます。
急傾斜地法第7条では、区域内で水を放流して地盤を緩める行為や、切土・盛土・掘削といったのり面の形状を変える工事を行う場合、あらかじめ都道府県知事の許可を受けなければならないと定めています。
例えば、古い家を解体して新しいマイホームを建て直そうとする際、基礎工事で深く地面を掘り下げるだけで許可申請が必要になるケースがあります。
また、既存の擁壁に手を加える工事や、斜面を削って駐車場を広げるといったリフォーム工事も、無許可では一切できません。
申請を出しても安全基準を満たす頑丈な擁壁の設置を求められることがあり、莫大な造成・補強費用が上乗せされるリスクを常に伴います。
買主から見れば「自由に家を建てたり直したりできない土地」と受け取られかねないため、この建築制限こそが売却の難易度を押し上げる根本的な要因となっているのです。
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なぜ?急傾斜地崩壊危険区域の売却が難しいと言われる3つの理由
◆この章のポイント◆
- 理由1:買い手の心理的な不安と住宅ローンの壁
- 理由2:資産価値の低下と売却価格への影響
- 理由3:売主が負う「告知義務」という重い責任
急傾斜地崩壊危険区域の売却が難航する主な理由は、買主の自然災害への恐怖心、金融機関による担保評価の厳格化に伴う住宅ローン審査の通りにくさ、そして売主側の厳格な告知義務に伴う法的トラブルリスクの3点に集約されます。
ある日、不動産ポータルサイトをぼんやり眺めていて、周辺相場より明らかに数百万円も安く放置されている築浅の一軒家を見つけました。
「なぜこんなに綺麗なのに誰も買わないのだろう」と気になって調べてみたところ、背後に切り立つ崖が急傾斜地崩壊危険区域に指定されている物件でした。
数字や写真だけでは見えてこない「見えない重荷」を抱えている土地は、市場において独特の冷たい風にさらされるのだと強く痛感した出来事です。
一体なぜ、この区域の物件は売りに出しても買い手がつきにくいのでしょうか。
ここでは、売主が直面せざるを得ない3つの現実的な壁について、感情論ではなく具体的な背景をもとに紐解いていきます。
理由1:買い手の心理的な不安と住宅ローンの壁
急傾斜地崩壊危険区域の物件を売り出す際、最初に立ちはだかるのが買主側の心理的抵抗です。
近年は異常気象によるゲリラ豪雨や大型台風が頻発しており、ニュースで土砂崩れの映像を目にする機会が格段に増えました。
これから何千万円もの借金を背負って家族と暮らすマイホームを探している一般の購入者にとって、がけ崩れのリスクを抱える土地は心理的瑕疵に近い敬遠材料となります。
さらに厄介なのが、金融機関の融資姿勢です。
銀行などの金融機関は住宅ローンを実行する際、万が一の返済不能時に備えて対象の不動産に抵当権を設定し、担保価値を綿密に審査します。
災害危険度の高いエリアに建つ建物は担保価値が低く見積もられやすく、住宅ローンの審査が否決されたり減額されたりするケースが後を絶ちません。
買いたいと言ってくれる人が奇跡的に現れたとしても、ローンの審査が通らずに白紙解約となってしまう事態が起きやすいのです。
理由2:資産価値の低下と売却価格への影響
市場の需要が極端に少ない以上、価格設定において大きな譲歩を迫られることは避けられません。
一般的な住宅地相場と比較した場合、急傾斜地崩壊危険区域内の土地は相場の2割から5割以上の値下げを余儀なくされるのが現場の実情です。
価格が下落する理由は単に人気がないからだけではありません。
購入した後に必要となる擁壁の修繕費や、斜面の保全にかかる将来のメンテナンス費用、さらには高額になりがちな火災保険・水災補償の保険料を見越して、買主から指値(値引き交渉)が入るためです。
造成工事に数百万円から一千万円単位の費用がかかる可能性がある土地であれば、土地自体の価格をそれ以上に引き下げなければ採算が合いません。
結果として、売却価格が想定を大幅に下回ってしまう現実を受け入れなければならない場面が多くなります。
理由3:売主が負う「告知義務」という重い責任
3つ目の理由にして最も神経を尖らせるべきなのが、法律上の告知義務と契約不適合責任です。
宅地建物取引業法第35条により、急傾斜地崩壊危険区域内に位置する不動産を売買する場合、不動産業者は重要事項説明書にその旨を記載して買主に説明する義務があります。
これは仲介業者だけでなく、売主自身にも関わる重大な問題です。
過去にがけの一部が崩れた履歴がある、擁壁に亀裂が入っている、大雨の日に裏山から濁水が流れてくるといった事実を知りながら隠して売却した場合、重大な不法行為として損害賠償を請求される危険があります。
2020年4月の民法改正以降、売主の責任は「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」へと厳格化されました。
契約内容と実際の土地の状態が異なっていれば、代金の減額請求だけでなく契約解除まで突きつけられる恐れがあります。
売主としては、売却後も長期にわたってトラブルの火種を抱え込みやすいという心理的プレッシャーが重くのしかかります。
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諦めるのはまだ早い!急傾斜地崩壊危険区域の売却を成功させる5ステップ
◆この章のポイント◆
- ステップ1:ハザードマップ等で所有地のリスクを正確に把握する
- ステップ2:複数の専門不動産会社へ査定を依頼する
- ステップ3:擁壁の状況や対策工事の有無を明確にする
- ステップ4:強みを引き出す販売戦略を立てる
- ステップ5:契約不適合責任について理解し、契約を結ぶ
急傾斜地崩壊危険区域の売却を成功させるには、ハザードマップによる指定状況の確認から始め、傾斜地や難物件に強い専門不動産会社へ査定を依頼し、擁壁の健全性を証明したうえで契約不適合責任の免責条項を盛り込む手順が有効です。
古くなった家の書類棚を整理していたとき、何十年も前に祖父が手書きで残した敷地の測量図の切れ端を見つけました。
色あせた紙には、どこまでが平坦でどこからが急斜面なのかが几帳面なインクの文字で細かく記されており、土地と向き合う基本は「まず事実を正確に知ること」なのだと教えられた気がしました。
売りにくい条件を抱えているからこそ、行き当たりばったりの行動は禁物です。
順序立てて正しいステップを踏んでいけば、買主との信頼関係を築き、後々のトラブルを防ぎながら安全に取引を完了させることができます。
ここからは、実際に売却を進めるための実践的な5つの手順を順を追って見ていきましょう。
ステップ1:ハザードマップ等で所有地のリスクを正確に把握する
売却活動の第一歩は、自分自身が所有している土地の正確な法的区分を完璧に把握することです。
自治体の防災課や土木事務所の窓口へ出向くか、インターネット上の「重ねるハザードマップ」などを活用して、敷地のどこからどこまでが区域に含まれているかを確認してください。
敷地の全域が区域に入っているのか、それとも敷地の隅にある法面の一部だけが指定されているのかによって、買い手の受け止め方は天と地ほど変わります。
敷地の大部分が平坦で、建物の建築可能スペースが安全圏にあれば、買い手へのアピール材料として十分に生かすことが可能です。
あやふやな記憶に頼るのではなく、自治体が発行する指定図面の写しを入手しておくことが以後のすべての交渉の土台となります。
ステップ2:複数の専門不動産会社へ査定を依頼する
土地の現状が分かったら、不動産会社へ査定を依頼しますが、ここで依頼先を間違えると何年間も売れ残る原因になります。
駅前の大手仲介会社や、平坦な分譲地ばかりを扱っている不動産会社は、急傾斜地の売却ノウハウを持たないことが珍しくありません。
面倒な許可申請やリスク説明を嫌がり、法外に低い査定額を出されたり、門前払いに近い扱いを受けたりすることすらあります。
だからこそ、傾斜地やがけ地、訳あり物件の売買実績が豊富な会社を最低でも3社以上選び、相見積もりを取ることが重要です。
地域の条例や土木行政に精通した担当者に出会えれば、思わぬ活用ルートや適正な売却希望価格を提案してもらえる可能性がぐっと高まります。
ステップ3:擁壁の状況や対策工事の有無を明確にする
急傾斜地の売買において、買い手が最も気にする物理的要素が「擁壁(ようへき)」の状態です。
敷地内または隣接地に擁壁がある場合、それがいつ頃、どのような工法で造られたものかを調査してください。
建築確認通知書や検査済証が残っている「適法な擁壁」であれば、買い手への大きな安心材料となり、住宅ローンの審査でも有利に働きます。
逆に、古い石積み擁壁であったり、ひび割れや水抜き穴の詰まりが見られる場合は、自治体の崩壊防止工事(公共事業)が施工済みかどうかを確認することが大切です。
過去に行政の費用で防護柵や法枠工などの対策工事が行われていれば、安全性向上を客観的な事実として提示できる強力な材料になります。
| POINT 擁壁の建築確認済証や検査済証の有無を役所で確認する ひび割れや膨らみがないか目視で定期点検を実施しておく 自治体による急傾斜地崩壊防止工事の履歴を土木事務所で調査する 法面の崩壊歴や湧水の有無など過去の自然現象を包み隠さず記録する 修繕が必要な場合は概算の見積もりを事前に取っておくと交渉がスムーズ |
ステップ4:強みを引き出す販売戦略を立てる
「危険区域だから欠点しかない」と思い込んでしまうのは、非常に勿体ないことです。
傾斜地や高台に位置する不動産には、平坦な住宅密集地には決して真似のできない唯一無二の魅力が潜んでいます。
例えば、遮るもののない圧倒的な眺望の良さ、日当たりの確保、風通しの心地よさ、隣家と視線が合いにくいプライバシー性の高さなどです。
販売図面を作成する際には、デメリットを正直に開示しつつも、開放感や自然に囲まれた住環境を好むターゲット層へ向けて魅力を前面に押し出してください。
家庭菜園やアトリエ、趣味の拠点、あるいは静かな環境でリモートワークを行いたい層など、価格の安さとロケーションを天秤にかけて前向きに捉えてくれる層は確実に存在します。
ステップ5:契約不適合責任について理解し、契約を結ぶ
購入希望者が現れて売買契約を結ぶ段階に至ったら、契約条項の詰めを何よりも慎重に行ってください。
買主に対して、対象地が急傾斜地崩壊危険区域に該当すること、建築や造成に知事の許可を要すること、過去の災害履歴や擁壁の劣化度合いを全て「物件状況確認書」に余すところなく記載します。
個人の売主が取引を行う場合、特約として「売主の契約不適合責任を免責とする(または責任期間を短縮する)」特約を盛り込むことが極めて一般的です。
あらかじめ欠点やリスクを全て合意内容に反映させた上で免責条項を取り交わしておけば、引き渡し後に地盤のトラブルが発覚しても損害賠償を迫られるリスクを防げます。
ここをおろそかにして契約書を交わしてしまうと、売却後も長年にわたり不安に怯え続ける生活になりかねませんので、必ず専門会社と文言を精査してください。
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通常の仲介での急傾斜地崩壊危険区域の売却が困難な場合の出口戦略
◆この章のポイント◆
- 専門の不動産買取業者へ相談するメリット
- 現状のまま「古家付き土地」として売却する
- 隣地の所有者に購入を打診してみる
一般の市場仲介で買い手がつかない場合でも、訳あり物件専門の買取業者による直接買取、解体費用をかけない古家付き土地としての売却、または敷地拡大を望む隣地所有者への売却打診といった出口戦略を選択することで現金化や手放しが可能です。
以前、知人が相続した山沿いの古民家を手放そうと何社もの大手不動産会社を回ったものの、「うちでは扱えません」と冷たく断られ続けて肩を落としていた姿を見てきました。
半年以上も途方に暮れていた彼でしたが、相談先をガラリと変えた途端、わずか数週間であっさりと引き取り先が決まり、まるで憑き物が落ちたような笑顔を見せてくれたことがあります。
不動産の売却ルートは、決して街の仲介会社に広告を出してもらう方法だけではありません。
正攻法で通用しなかったとしても、別の角度からアプローチすれば活路は必ず開けます。
仲介で買い手が見つからず八方塞がりになってしまったときに検討すべき、3つの具体的な出口戦略をご紹介します。
専門の不動産買取業者へ相談するメリット
仲介で何ヶ月待っても反響がない場合、最も確実でスピーディーな解決策となるのが「訳あり物件専門の不動産買取業者」への売却です。
仲介が一般個人を探すのに対し、買取は不動産会社自身が直接の買い手となります。
専門業者は擁壁工事のノウハウや独自の再販ネットワークを持っているため、一般人が敬遠する急傾斜地崩壊危険区域の土地でも現状のままで即座に買い取ってくれる可能性が高いのが最大の強みです。
さらに見逃せない利点として、買主がプロの宅建業者となるため、売主の「契約不適合責任が完全に免責」される取引が基本となります。
仲介手数料も一切かからず、売却後の瑕疵やトラブルを心配することなく綺麗サッパリ手放せる安心感は、精神的な負担を抱える売主にとって計り知れないメリットと言えます。
現状のまま「古家付き土地」として売却する
古い建物が建っている場合、「更地にしたほうが売れやすいだろう」と考えて安易に自腹で解体工事を発注してしまう方がいますが、これは非常に危険です。
急傾斜地崩壊危険区域内で建物を解体して更地にすると、前述した建築規制や自治体のがけ条例によって「二度と新しい家が建てられない土地(再建築不可)」になってしまうリスクがあります。
さらに、建物を壊すと固定資産税の住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税が最大で6倍に跳ね上がってしまいます。
だからこそ、解体費用をかけずに現状のまま「古家付き土地」として売り出すことが賢明な判断となります。
近年増えているDIY愛好家や古民家再生を手がける個人投資家にとっては、既存の建物をリノベーションして安く住める魅力的な物件として映ることが十分にあります。
隣地の所有者に購入を打診してみる
一般市場の誰もが見向きもしない土地であっても、たった一人だけ喉から手が出るほど欲しがる人物がいる場合があります。
それが、お隣に住んでいる「隣接地の所有者」です。
隣人にとって、隣の土地を買い取ることには「敷地を広げて庭や駐車場にできる」「将来的に隣に変な建物が建つリスクを防げる」といった具体的な実利が存在します。
また、崩壊の恐れがある斜面が隣接地にある場合、自ら買い取って一体的に斜面管理を行いたいと考える隣人も決して珍しくありません。
いきなり個人で交渉を持ちかけると関係がこじれる恐れがあるため、地域の事情に詳しい不動産会社や司法書士を介して打診するのが安全です。
相場より多少控えめな価格設定であったとしても、広告費をかけずに確実かつ円満に土地を手放す有効な手段となります。
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急傾斜地崩壊危険区域の売却に関するよくある質問(FAQ)
急傾斜地崩壊危険区域にある不動産の売却に関して、所有者の方から頻繁に寄せられる疑問や法的な注意点について一問一答形式で簡潔にお答えします。
Q. 自治体が対策工事をしてくれるというのは本当ですか?
条件を満たせば自治体が急傾斜地崩壊防止工事を実施してくれます。
斜面の傾斜が30度以上、高さ5メートル以上で人家5戸以上に危険が及ぶ場合、所有者全員の同意と一部負担金などを条件に、都道府県が事業主体となって法枠工や擁壁工事を施工する制度があります。
ただし、予算や緊急性の優先順位があるため、申請すれば直ちに工事が行われるわけではない点に留意してください。
Q. 危険区域の指定が解除されることはありますか?
防止工事の完了や地形の改変によって解除される事例はあります。
都道府県による抜本的な崩壊防止工事が完成し、がけ崩れの危険が解消されたと認められた場合、知事の告示によって区域指定が解除される法的な手続きが存在します。
しかしながら、指定解除までには長期の年月を要するケースが大半であり、売却を急ぐ場合は解除を待たずに現況で取引を進めるのが現実的です。
Q. 危険性を隠して売却したらどうなりますか?
契約解除や多額の損害賠償を請求される重大な違反となります。
急傾斜地崩壊危険区域であることや過去の土砂崩れ・擁壁の亀裂を故意に隠して売却すると、民法上の契約不適合責任および不法行為責任を厳しく問われます。
免責特約を結んでいても悪意で告げなかった瑕疵には適用されないため、判明している事実は全て余すことなく書面で開示することが絶対条件です。
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まとめ:急傾斜地崩壊危険区域の売却は焦らず、信頼できる専門家との連携が成功の鍵
急傾斜地崩壊危険区域に指定されている土地や建物の売却は、確かに一般的な物件と比べると数多くの制約やリスクを伴う険しい道のりです。
買い手の心理的な不安、住宅ローン審査の厳しさ、そして売主としての重い告知義務に直面すると、「もう手放せないのではないか」と心が折れそうになることもあるでしょう。
しかし、そこで焦って無駄な解体工事にお金を注ぎ込んだり、悪質な業者に騙されて二束三文で手放したりする必要は決してありません。
ハザードマップで土地の現状を正確に突き止め、擁壁の健全性を調べ、個別の特性を評価してくれる専門業者と巡り合うことができれば、必ず納得のいく解決策は見つかります。
仲介による一般個人への売却が難しければ、専門業者による直接買取や隣接地への打診といった実効性の高い選択肢も用意されています。
まずは一人で抱え込まず、地域の土地事情に精通した専門家へ相談することから、未来へ向けた確かな一歩を踏み出してください。
本日のまとめ
- 急傾斜地崩壊危険区域は傾斜30度以上かつ高さ5メートル以上のがけ地が対象
- 指定の目的はがけ崩れ災害防止であり売買取引自体は法律上可能
- 区域内での切土や盛土や掘削工事には都道府県知事の事前許可が必要
- 土砂災害警戒区域と異なり土地の形状変更に対して直接の法定制限が課される
- 災害リスクへの心理的抵抗から一般市場の買い手が見つかりにくい
- 金融機関の担保評価が厳しく住宅ローンの審査が通りにくい傾向がある
- 売却価格は周辺相場と比べて2割から5割程度の下落を見込む必要がある
- 重要事項説明での説明義務があり過去の崩壊歴や擁壁の不具合は告知必須
- 安易な建物解体は再建築不可や固定資産税増額のリスクを招くため避ける
- 敷地内の擁壁に関する確認済証や自治体の崩壊防止工事の履歴を調査する
- 高台ならではの眺望や日当たりなどの強みを前面に出した販売戦略を立てる
- 個人間売買では契約不適合責任の免責特約を盛り込み将来の紛争を防ぐ
- 仲介で売れない場合は現状有姿で買い取る専門買取業者の利用が有効
- 敷地拡張を望む隣地所有者への売却打診も有力な出口戦略となる
- 傾斜地や難物件の取引実績が豊富な信頼できる不動産会社へ相談する
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土地の相続放棄ができない!?知らなきゃ損する原因と5つの賢い対処法
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参考サイト
国土交通省:急傾斜地崩壊危険区域の解説
東京都建設局:砂防三法指定区域(砂防指定地・地すべり防止区域・急傾斜地崩壊危険区域)
三井住友トラスト不動産:不動産売買のときに気をつけること~傾斜のある土地
アルバリンク:土砂災害警戒区域でも売却可能!損しないための業者選びと注意点を解説
URUHOME:傾斜地・崖地が売れない理由と売却方法【法律と利用方法も解説】

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