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相続放棄した家が倒壊したら責任は誰に?2023年民法改正後の新ルールと完全な対策を解説

トラブル
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こんにちは、サイト管理人Tsukasaです。

「親が亡くなって実家を相続したけど、あまりに古くて住めそうにない…。」

「借金もあるみたいだし、いっそ相続放棄してしまいたい。」

でも、もし相続放棄したあの家が、万が一倒壊してしまったら…?

その責任は、一体誰が負うことになるのでしょうか。

実は、2023年4月の民法改正によって、相続放棄後の家の管理責任に関するルールが大きく変わりました。

「放棄したんだから、もう自分には関係ない」とは言い切れないケースが出てきたのです。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、相続放棄した家が倒壊した場合に起こりうる問題と、その具体的な対策を徹底的に解説していきます。

◆この記事で分かること◆

  • 相続放棄しても家の管理責任が残るケースとは?
  • 2023年の民法改正で何が変わったのか
  • 家が倒壊した場合の損害賠償責任の行方
  • 放置することで起こる「特定空き家」指定のリスク
  • 管理責任から完全に解放されるための「相続財産清算人」制度
  • 相続財産清算人の選任手続きと費用の目安
  • 相続放棄以外の選択肢「一度相続して売却する」方法

相続放棄した家が倒壊とは?基本的な問題点を解説

◆この章のポイント◆

  • 相続放棄すれば実家は自分と無関係になる?
  • 2023年民法改正で管理責任のルールが変わった
  • 「現に占有」しているかが責任の分かれ目に

「相続放棄」という手続きを踏めば、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がずに済むため、多くの方が「これで一安心」と考えるかもしれません。

しかし、話はそう単純ではありません。

特に、倒壊の恐れがあるような古い家が遺産に含まれている場合、「相続放棄した家が倒壊する」という、まさに悪夢のようなシナリオが現実になる可能性があります。

この章では、まず相続放棄と家の管理責任に関する基本的な問題点を整理します。

特に、2023年4月1日に施行された改正民法が、この問題にどのような影響を与えたのかを詳しく見ていきましょう。

「知らなかった」では済まされない、重要なルール変更が隠されています。

あなたが責任を問われるかどうかの運命を分ける「現に占有」というキーワードについても、ここでしっかりと理解しておきましょう。

相続放棄すれば実家は自分と無関係になる?

多くの人が、「相続放棄をすれば、実家を含むすべての遺産と無関係になれる」と考えています。

法的には、相続放棄をするとその人は「初めから相続人ではなかった」とみなされます。

ですから、家の所有権や固定資産税の支払い義務などは一切負いません。

しかし、所有権がなくなることと、管理する責任がなくなることは、必ずしもイコールではないのです。

うーん、これはどう説明したらいいか…。

例えば、あなたが友人の家でペットを預かったとします。

そのペットの所有者はあくまで友人ですが、預かっている間はあなたがエサをあげたり散歩に連れて行ったりする責任がありますよね。

それと少し似ていて、たとえ所有者でなくても、その家を「管理」する立場にあると見なされた場合、一定の責任が残ってしまうことがあるのです。

特に、他に相続人がいない、または全員が相続放棄してしまったケースでは、次の管理者が決まるまでの間、最後に相続放棄した人に管理責任が残るとされていました。

これが、相続放棄した家が倒壊した場合に問題が複雑化する、最初の落とし穴です。

2023年民法改正で管理責任のルールが変わった

この複雑な問題をさらにややこしく、いや、ある意味で明確にしたのが2023年4月1日に施行された民法改正です。

この改正は、特に空き家問題に対応する目的も含まれていました。

改正前の民法では、「相続財産の管理義務」という少し曖昧な表現で、相続放棄後も責任が残る可能性が示唆されていました。

しかし、改正後の民法では、相続放棄した人の責任が残るのは、「その財産を現に占有しているとき」に限定されることになったのです。

これは非常に大きな変更点です。

つまり、相続放棄さえすれば、どんな場合でも管理責任が残るわけではなくなった、ということです。

逆に言えば、もしあなたがその家を「現に占有している」と判断された場合、相続放棄をしても管理責任からは逃れられない、ということになります。

この法改正によって、責任の有無がより明確になった反面、自分が「占有者」にあたるのかどうかを正しく理解しておく必要性が格段に高まりました。

POINT
法改正のポイント
・改正前:曖昧な「管理義務」が残る可能性があった
・改正後:責任が残るのは「現に占有している」場合に限定
・自分が「占有者」かどうかを判断することが重要になった

「現に占有」しているかが責任の分かれ目に

では、責任の有無を分ける「現に占有している」とは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。

法律の世界の言葉は本当にややこしいですよね。

これは単に「その家に住んでいる」ことだけを意味するわけではありません。

裁判所の判断によりますが、一般的にはその家や敷地を事実上、支配・管理している状態を指します。

例えば、以下のようなケースは「現に占有」していると判断される可能性が高いです。

  • 被相続人(亡くなった親など)と同居しており、相続放棄後もその家に住み続けている。
  • 空き家ではあるが、自分の荷物を置く物置として利用している。
  • 定期的に家の管理(庭の手入れ、換気、郵便物の確認など)を行っている。
  • 家の鍵を保有・管理している。

逆に、被相続人とは遠方に住んでいて、長年その家に関わっておらず、鍵も持っていないような場合は、「占有」しているとは見なされない可能性が高いでしょう。

もしあなたが「占有者」にあたる場合、相続放棄をしたとしても、家が倒壊しないように管理する義務(保存義務)が残ります。

そして、その義務を怠って家が倒壊し、他人に損害を与えてしまえば、損害賠償責任を問われることになるのです。

相続放棄した家が倒壊した場合の管理責任の所在

◆この章のポイント◆

  • 次の順位の相続人がいる場合の責任
  • 相続人全員が放棄した場合の責任
  • 損害賠償責任は誰が負うのか

前の章で、相続放棄をしても「現に占有」していれば管理責任が残る、という衝撃の事実が明らかになりました。

では、もし自分が「占有者」ではなかった場合、あるいは自分も他の親族もみんな相続放棄してしまった場合、あのボロボロの実家の責任は一体どこへ行ってしまうのでしょうか。

まるで爆弾ゲームのように、責任が次から次へと移っていく様子を想像すると、夜も眠れなくなってしまいそうですよね。

この章では、相続放棄後の管理責任が法的にどのように移っていくのか、その所在を具体的に解説します。

次の順位の相続人がいる場合、そして相続人全員が放棄するという最悪のシナリオの場合、それぞれで誰が責任を負うのかを明確にします。

そして最終的に、万が一、相続放棄した家が倒壊して隣家を巻き込むなどの事故が起きた場合、その莫大な損害賠償責任は誰の肩にのしかかるのか、という最も重要な問題に迫ります。

次の順位の相続人がいる場合の責任

相続には法律で定められた優先順位があります。

まず、亡くなった方の子供や孫(第1順位)、次に親や祖父母(第2順位)、そして最後に兄弟姉妹やその子供(第3順位)へと権利が移っていきます。

もしあなたが第1順位の相続人で相続放棄をした場合、相続権は自動的に次の順位の相続人に移ります。

例えば、あなた(子)が相続放棄し、すでに親(第2順位)が亡くなっている場合、次は兄弟姉妹(第3順位)が相続人になります。

この場合、家の所有権とともに管理責任も、その次の順位の相続人に引き継がれるのが原則です。

ですから、もし次の順位の相続人がいるのであれば、あなたが「現に占有」していない限り、管理責任はその人たちに移っていくと考えてよいでしょう。

ただし、注意が必要です。

次の順位の相続人が相続を承認するか放棄するかを決めるまでの間は、状況が不確定です。

その間に家が倒壊するなどの問題が起きた場合、責任の所在が曖昧になり、トラブルに発展する可能性もゼロではありません。

相続放棄をする際は、次の順位の相続人にその旨をきちんと連絡し、状況を共有しておくことが、余計なトラブルを避けるためのマナーと言えるでしょう。

相続人全員が放棄した場合の責任

問題が最も深刻になるのが、子も親も兄弟姉妹も、全ての相続人が相続放棄をしてしまったケースです。

相続する人が誰もいなくなってしまった家は、最終的には国のもの(国庫に帰属)になります。

しかし、自動的に国のものになるわけではありません。

「相続財産清算人(そうぞくざいさんせいさんにん)」という、弁護士などの専門家が家庭裁判所によって選任され、その人が財産を清算し、最終的に国に引き渡すという手続きが必要になります。

ここが重要なのですが、この相続財産清算人が選任されて家の管理を引き継ぐまでの間は、改正後の民法でも、相続放棄した占有者に管理責任が残り続けるのです。

あ、いや、待てよ。

占有していない場合でも、最後の相続人として事実上の管理をせざるを得ない状況に追い込まれる可能性は否定できません。

誰も管理する人がいない宙に浮いた状態の家が倒壊すれば、近隣住民から「なぜ放置したんだ」と責められるのは、元々の関係者であるあなたである可能性が高いからです。

結局、法的な責任とは別に、事実上の責任問題から逃れるのは難しいのが現実です。

損害賠償責任は誰が負うのか

これが最も恐ろしいシナリオです。

もし、相続放棄した家が倒壊し、隣の家を破壊してしまったり、通行人にケガを負わせてしまったりした場合、その損害賠償責任は誰が負うのでしょうか。

結論から言うと、その時点でその家の「管理者」と見なされる人が責任を負います。

これは民法717条の「土地工作物責任」というルールに基づきます。

具体的には、以下の順番で責任者が決まります。

  • 1次的な責任者:占有者
    まず、その家を「現に占有」していた人に責任が問われます。相続放棄をしていても、占有者と認定されれば、損害賠償を請求される可能性があります。
  • 2次的な責任者:所有者
    占有者が「倒壊を防ぐために必要な注意をしていた」ことを証明できた場合に限り、責任は所有者に移ります。しかし、相続人全員が放棄している場合、所有者は不在です。この場合、最終的には相続財産清算人が管理する法人、あるいは国庫が責任を負うことになりますが、そこに至るまでには長い時間がかかります。

現実問題として、事故が起きてしまった直後に責任を追及されるのは、まず「占有していた相続放棄者」となる可能性が極めて高いのです。

「自分は注意していた」と証明するのは非常に難しく、裁判で莫大な損害賠償を命じられるリスクは決して低くありません。

被害額が数千万円にのぼることも珍しくなく、まさに人生を揺るがす事態になりかねないのです。

相続放棄した家が倒壊する前に知るべきリスク

◆この章のポイント◆

  • 近隣住民への被害と損害賠償請求
  • 「特定空き家」指定と行政代執行
  • 倒壊寸前の家を放置するその他の危険性

相続放棄した家が倒壊した場合の直接的な責任問題については、前の章で詳しく見てきました。

しかし、危険はそれだけではありません。

実際に倒壊という最悪の事態に至る前段階でも、放置された空き家は様々なリスクを生み出し、あなたの平穏な生活を脅かす可能性があります。

ここでは、単なる物理的な倒壊だけでなく、そこに至るまでの過程で発生しうる法的な、そして社会的なリスクに焦点を当てていきます。

特に、行政から「特定空き家」としてロックオンされてしまうと、事態は一気に深刻化します。

強制的に家を解体され、その費用を請求される「行政代執行」という最終手段が待っているのです。

その他にも、倒壊寸前の家が引き起こす様々な危険性について理解し、問題を先送りすることの恐ろしさを具体的にイメージしていきましょう。

近隣住民への被害と損害賠償請求

これは、最も現実的で、かつ深刻なリスクです。

家が実際に倒壊しなくても、例えば台風で屋根瓦が飛んで隣の家の窓ガラスを割ってしまったり、外壁の一部が剥がれ落ちて通行人に当たってしまったりする事故は十分に考えられます。

そのザラザラしたコンクリートの破片が、誰かの未来を奪ってしまうかもしれないと想像してみてください。

このような事故が発生した場合、家の管理責任者が損害賠償責任を負うことになります。

そして前述の通り、相続放棄をしていても「現に占有」していれば、あなたがその管理責任者と見なされる可能性が高いのです。

たとえ小さな事故であっても、修理費用や治療費、慰謝料などを請求されれば、その負担は決して軽くありません。

さらに、事故が起きる前から「あの家は危険だ」「いつ崩れるか分からなくて怖い」といった近隣からのクレームや不安の声は、精神的に大きなプレッシャーとなります。

良好だったご近所付き合いが、空き家問題一つで険悪なものに変わってしまうことも少なくないのです。

これは、お金だけの問題では済まない、人間関係における深刻なリスクと言えるでしょう。

「特定空き家」指定と行政代執行

放置された危険な空き家が増え続ける状況に対応するため、国は「空家等対策の推進に関する特別措置法」という法律を定めました。

この法律に基づき、市町村は著しく保安上危険となるおそれのある空き家を「特定空き家」に指定することができます。

「特定空き家」に指定されると、行政から所有者(または管理者)に対して、家の修繕や解体などを求める「助言・指導」「勧告」「命令」が行われます。

そして、この最終的な「命令」に従わなかった場合、行政が所有者に代わって強制的に家を解体する「行政代執行」が行われることがあるのです。

ここが最も恐ろしいポイントですが、行政代執行にかかった解体費用は、すべて所有者(または管理者)に請求されます。

一般的な木造家屋の解体でも、数百万円の費用がかかることは珍しくありません。

相続放棄をしていても、あなたが管理責任者と認定されれば、この解体費用を支払う義務が生じる可能性があります。

自分で業者を探して解体するよりも、行政代執行の方が費用は割高になる傾向があります。

「何もしない」という選択が、結果的に最も高くつく可能性があるのです。

POINT
特定空き家に指定されると…
1. 行政から改善の指導・勧告・命令が来る
2. 命令に従わないと、行政が強制的に解体(行政代執行)
3. 解体費用はすべて管理者に請求される
4. 自分で解体するより費用は割高になるケースが多い

倒壊寸前の家を放置するその他の危険性

損害賠償や行政代執行といった法的なリスク以外にも、倒壊寸前の家を放置することには様々な危険が潜んでいます。

まず、衛生環境の悪化です。

庭に雑草が生い茂り、害虫やネズミなどが発生すれば、近隣の衛生状態を悪化させる原因となります。

また、景観の悪化も深刻な問題です。

荒れ果てた家が1軒あるだけで、その地域の街並み全体の印象が悪くなり、資産価値の低下につながることもあります。

さらに、見過ごせないのが防犯上のリスクです。

管理されていない空き家は、不審者の侵入や放火のターゲットになりやすい傾向があります。

もし放火され、火災で近隣に被害が及んだ場合、やはり管理責任を問われる可能性があります。

これらのリスクは、直接的な金銭負担にはならなくとも、近隣との関係悪化や精神的なストレスといった、目に見えない大きな負担となってあなたにのしかかってくるのです。

相続放棄した家が倒壊する問題への最終的な対策

◆この章のポイント◆

  • 相続財産清算人の選任が最も確実な方法
  • 相続財産清算人の選任手続きと費用
  • 責任から解放されるまでの期間

さて、ここまで相続放棄した家が倒壊した場合の様々なリスクについて解説してきました。

「じゃあ、一体どうすればこの無限責任地獄から抜け出せるんだ!」と、あなたは今、そう思っているかもしれません。

ご安心ください。

ちゃんと、この問題を根本から解決するための法的な手続きが存在します。

この章では、あなたが将来にわたって一切の責任を問われず、完全に管理義務から解放されるための、最も確実で最終的な対策について詳しく解説します。

その鍵となるのが「相続財産清算人」という専門家の存在です。

この手続きは、少し手間と費用がかかりますが、将来のリスクを考えれば、それに見合うだけの価値が十分にあります。

具体的な手続きの流れや、気になる費用、そしてあなたが本当に肩の荷を下ろせるまでの期間について、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。

相続財産清算人の選任が最も確実な方法

相続人全員が相続放棄をし、あなたが「現に占有」していることで管理責任を負っている状況から完全に解放されるための、唯一かつ最も確実な方法。

それが、家庭裁判所に「相続財産清算人」の選任を申し立てることです。

相続財産清算人とは、その名の通り、相続人がいなくなった財産を清算する役割を担う専門家(通常は弁護士が選ばれます)のことです。

この清算人が裁判所によって選任され、あなたから家の管理を引き継いだ瞬間、あなたの管理責任は法的に消滅します。

まさに、責任のバトンを正式に渡すことができる唯一の相手なのです。

一度、相続財産清算人に管理が移れば、その後に家が倒壊しようと、特定空き家に指定されようと、あなたに責任が及ぶことは一切ありません。

将来にわたって損害賠償請求などのリスクに怯えることなく、安心して生活を取り戻すことができる、これが最大のメリットです。

偉そうに言ってますが、私自身、この手続きの存在を知ったときは「こんな最終手段があったのか!」と心底ホッとしたのを覚えています。

相続財産清算人の選任手続きと費用

では、具体的にどうすれば相続財産清算人を選んでもらえるのでしょうか。

手続きは、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てを行うことから始まります。

申し立てには、申立書のほか、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本、相続放棄申述受理証明書など、多くの書類が必要になります。

そして、最も気になるのが費用ですよね。

ここだけは絶対に譲れないポイントでして、正直に言うと、安くはありません。

まず、申し立て自体に収入印紙や郵便切手代で数千円かかります。

しかし、一番大きな負担となるのが、「予納金(よのうきん)」です。

これは、相続財産清算人が活動するための経費や報酬にあてるためのお金で、申し立てる人が事前に裁判所に納める必要があります。

予納金の額は、財産の内容や管理の複雑さによって異なりますが、数十万円から100万円程度になるのが一般的です。

もし遺産の中に現金や預貯金があればそこから支払われますが、倒壊しそうな家しかない場合は、申し立てる人が全額を負担しなければなりません。

高額な費用ではありますが、数千万円の損害賠償リスクを回避するための保険料だと考えれば、検討する価値は十分にあると言えるでしょう。

責任から解放されるまでの期間

申し立てをすれば、すぐに責任から解放されるわけではありません。

家庭裁判所に相続財産清算人の選任を申し立ててから、実際に清算人が選任されるまでには、数ヶ月程度の時間がかかるのが一般的です。

裁判所が候補者を探したり、利害関係人の意見を聞いたりする時間が必要だからです。

そして、あなたが本当に安堵できるのは、裁判所から「選任審判書」という書類が届き、清算人に家の鍵などを引き渡して、正式に管理が移った時点です。

この引き継ぎが完了するまでの期間は、引き続きあなたに管理責任が残ります。

そのため、もし家が本当に危険な状態なのであれば、申し立てと並行して、応急的な補強や、危険箇所への立ち入り禁止の表示をするなど、最低限の安全対策は講じておくべきでしょう。

手続きには時間がかかりますが、ゴールは見えています。

一日でも早く安心を手に入れるために、もしこの方法を選ぶのであれば、すぐにでも専門家(弁護士や司法書士)に相談し、手続きに着手することをお勧めします。

相続放棄した家が倒壊する前に売却するという選択肢

◆この章のポイント◆

  • なぜ一度相続して売却するのが有効か
  • 倒壊しそうな家の売却方法と注意点
  • 仲介と買取の違いとは

これまで、相続放棄を前提としたリスクと、その最終的な解決策である「相続財産清算人」について解説してきました。

しかし、相続財産清算人の選任には、やはり高額な予納金という大きなハードルがあります。

「そんな大金、とても用意できない…」と、途方に暮れてしまった方もいるかもしれません。

実は、まだ諦める必要はありません。

もし、あなたがまだ相続放棄の手続きをしていないのであれば、全く別の角度からのアプローチが存在します。

それは、リスクの塊である家を「負の財産」として手放すのではなく、「資産」として売却してしまう、という逆転の発想です。

この章では、あえて一度家を相続し、プロの手を借りて売却することで、管理責任から解放されるだけでなく、思わぬ利益を得られる可能性について探っていきます。

特に、普通の不動産とは少し違う「倒壊しそうな家」をどうやって売ればいいのか、その具体的な方法と注意点について解説します。

なぜ一度相続して売却するのが有効か

「倒壊しそうな家なんて、相続したくない!」と思うのが普通ですよね。

しかし、一度冷静に考えてみてください。

相続放棄をすると、家だけでなく、預貯金や有価証券といったプラスの財産もすべて手放さなければなりません。

もし、借金を差し引いても財産全体がプラスになるのであれば、相続放棄はかえって損をしてしまう可能性があります。

ここで、「一度相続して売却する」という選択肢が輝きを放ちます。

この方法の最大のメリットは、家の管理責任から完全に、そしてスピーディーに解放されることです。

家を売却し、所有権が買主に移転した時点で、倒壊のリスクや管理義務はすべて新しい所有者のものになります。

相続財産清算人のように、高額な予納金を支払う必要もありません。

それどころか、たとえ家自体に価値がなくても、土地の値段で売却できれば、手元にお金が残る可能性だってあるのです。

もちろん、相続登記の費用や売却にかかる税金などは発生しますが、将来の損害賠償リスクや清算人の予納金と比べれば、はるかに見通しが立てやすいと言えるでしょう。

倒壊しそうな家の売却方法と注意点

「でも、こんなボロボロの家、誰が買ってくれるんだ?」と思いますよね。

確かに、一般の人が住むための家として売るのは難しいでしょう。

しかし、不動産のプロの世界には、そうした家を専門に扱う業者が存在します。

倒壊しそうな家を売却する場合のポイントは、「建物」ではなく「土地」として売ることを考えることです。

買主は、建物を解体して更地にし、新しい家を建てたり、駐車場として利用したりすることを目的としています。

注意点としては、売買契約を結ぶ際に「契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)」を免除してもらう特約を付けることが重要です。

これは、売った後に家の欠陥(雨漏りやシロアリなど)が見つかっても、売主は責任を負わない、という約束事です。

特に、不動産会社が直接買い取る「買取」の場合、この契約不適合責任が免除されるのが一般的なので、売主にとっては非常に安心な取引方法と言えます。

「現状のまま(現況有姿)」で引き渡すことを明確にし、後々のトラブルを避けることが賢明です。

仲介と買取の違いとは

不動産を売却する方法には、大きく分けて「仲介」と「買取」の2種類があります。

仲介とは、不動産会社に間に入ってもらい、一般の買い手を探してもらう方法です。

高く売れる可能性がありますが、買い手が見つかるまでに時間がかかることや、前述の契約不適合責任が残るというデメリットがあります。

倒壊しそうな家の場合、そもそも一般の買い手を見つけること自体が非常に困難です。

一方、買取とは、不動産会社自身が買主となって、あなたの家を直接買い取ってくれる方法です。

最大のメリットは、売却までのスピードが圧倒的に早いこと。

査定から現金化まで、数週間で完了することも珍しくありません。

また、「契約不適合責任の免除」や「現状のまま引き渡し」が可能なので、売った後の心配が一切ありません。

売却価格は仲介よりも安くなる傾向がありますが、倒壊のリスクや管理の手間から一刻も早く解放されたい、という場合には、買取が最も確実で有効な選択肢となるでしょう。

特に、古い空き家や訳あり物件を専門に扱う買取業者に相談してみることを強くお勧めします。

相続放棄した家が倒壊する問題の総まとめ

本日のまとめ

  • 相続放棄をしても家の所有権はなくなるが管理責任が残ることがある
  • 2023年の民法改正で管理責任が残るのは「現に占有」している場合に限定された
  • 「現に占有」とは家に住んでいたり荷物を置いていたり事実上支配している状態を指す
  • 占有者が管理を怠り家が倒壊して他人に損害を与えた場合、損害賠償責任を負う
  • 次の順位の相続人がいれば管理責任はその人に移るのが原則
  • 相続人全員が放棄した場合、次の管理者が決まるまで占有者に責任が残る
  • 放置された家は行政から「特定空き家」に指定されるリスクがある
  • 特定空き家の改善命令に従わないと行政が強制解体し費用を請求されることがある
  • 管理責任から完全に解放されるには「相続財産清算人」の選任申立てが最も確実
  • 相続財産清算人の選任には数十万から100万円程度の予納金が必要になる
  • 清算人が選任され管理を引き継ぐまでには数ヶ月かかりその間は責任が残る
  • まだ相続放棄をしていないなら一度相続して売却するのも有効な選択肢
  • 売却すれば管理責任から解放され売却益を得られる可能性もある
  • 倒壊しそうな家は専門の不動産買取業者に直接買い取ってもらうのがスピーディーで確実
  • 買取なら契約不適合責任が免除され売却後のトラブルの心配がない

参考サイト
https://www.urban-net.co.jp/column/souzoku/7570/
https://wakearipro.com/souzoku-houki-tokai/
https://iekon.jp/souzoku-houki-tokai/
https://tsugunavi.com/sozoku-kanrinin-13/
https://albalink.co.jp/real-estate-media/abandoned-inheritance-house-collapses/

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